腹圧が変わると、姿勢も変わる

“体幹”の本当のつくり方

なんとなく姿勢を良くしようとすると胸を張る、背筋を伸ばす、お腹に力を入れる。

そんな意識になりがちですが、実はそれだけではうまくいかないことが多いです。

姿勢を支えているのは「見えている筋肉」ではなく、身体の内側で働いている“圧のバランス”です。

このバランスが整うことで、身体は無理なく立てるようになります。

腹圧は「お腹に力を入れること」ではない

腹圧というと「お腹を固めること」と思われがちですが、本来はそうではありません。

大切なのは横隔膜と骨盤底筋群が平行に保たれた状態で、その間に圧が適切にかかっていることです。

この状態がつくれると上半身の重さは無理なく下へ落ち、股関節から足底へと自然に伝わっていきます。

嶋本

「固めるより、“上下が揃っているか”を見てください」

腹圧をつくる4つの筋肉

腹圧は1つの筋肉ではなく、いくつかの筋肉が連動して働いています。

・横隔膜(上から圧をかける)
・骨盤底筋群(下から受け止める)
・腹横筋・内腹斜筋(側面から支える)
・多裂筋(背面から安定させる)

この4つがバランスよく働くことで体幹は“筒”のように安定します。

嶋本

「腹筋ではなく、“圧の器”をつくるイメージです」

平行が崩れると、力は逃げる

横隔膜と骨盤底筋群の関係が崩れると、圧はうまく伝わらなくなります。

例えば肋骨が開いている状態では圧は前に逃げてしまい、腰に負担がかかります。

逆に骨盤が崩れている状態では圧は下に抜けてしまい、股関節に乗りません。

その結果膝やふくらはぎが頑張る形になります。


嶋本

「崩れている場所ではなく、“圧が逃げている方向”を見る」

足裏までつながると姿勢が変わる

腹圧が整うと、身体の流れはシンプルになります。

上半身の重さが下に落ち、股関節で受け、足裏に乗り床反力が上に返る。

この流れがスムーズになることで、余計な力を使わずに立てるようになります。

足裏がうまく使えない人は、実は足の問題ではなく体幹で受けられていないケースが多いです。


嶋本

「足を変える前に、“上で受けれているか”を確認」

トレーニングで大切な順番

体幹を整えるときに重要なのは順番です。

いきなり動きを増やすのではなくまずは圧の方向を整えることから始めます。

呼吸で上下を揃える

股関節で受ける

足裏に乗せる

この順番を守ることで、動きは自然に整っていきます。


嶋本

「“頑張る前に整える”が最短ルートです」

平行に保てるようになるためのトレーニング

腹圧は筋トレではなく“圧のバランス”なので、いきなり負荷をかけるよりも
①上下を揃える(呼吸)
②受ける場所を作る(股関節)
③地面に伝える(足底)
この順番で積み上げる方が再現性が高いです。

① 呼吸で上下を揃える(腹圧の土台)

最優先

● 90/90呼吸

・仰向けで膝90°(イスに乗せる or 壁)
・肋骨を軽く下げる
・鼻から吸って、口から長く吐く

意識
・横隔膜と骨盤底筋が「平行」
・お腹を固めない
・360°に膨らむ感覚

回数
5呼吸 × 2セット

② 側面と背面をつなぐ(筒をつくる)

圧を“逃がさない”段階

● クロコダイルブリージング

・うつ伏せ
・お腹・脇・腰に空気を入れる

意識
・前だけでなく横・後ろも膨らむ
・背中が動くかチェック

回数
5呼吸 × 2セット

デッドバグ(軽負荷)

・仰向けで手足をコントロール

意識
・腰を反らない
・肋骨が開かない
・呼吸を止めない

回数
左右10回 × 2セット

「動いても“筒”が崩れないか」

③ 股関節で受ける(圧の受け皿)

ここで“逃げる or 伝わる”が決まる

● ヒップヒンジ

・立位でお尻を後ろに引く
・お尻で壁にタッチするイメージ

意識
・腰ではなく股関節
・圧が前に逃げない
・みぞおち〜骨盤が一体

回数
10回 × 2セット

「腰で逃げると終わり。股関節で受ける」

④ 足裏に乗せる(圧の出口)

最終的な“姿勢”につながる

● ショートフット(軽く)

・足の真ん中を少し引き上げる

意識
・指は力まない
・土踏まずだけ反応
・ふくらはぎに入らない

回数
10秒キープ × 5回

● スクワット(軽め)

・浅くでOK

意識
・上→下に重さが落ちる
・股関節で受ける
・足裏で支える

回数
8〜10回 × 2セット

👉 トレーナー一言
「頑張るほど前モモが張るなら戻る」

まとめ

姿勢は意識でつくるものではなく、身体の内側で起きている“圧のバランス”で決まります。

横隔膜と骨盤底筋群が揃い、その間で腹圧が保たれることで重さは正しく下へ伝わり、足裏からの力もスムーズに返ってきます。

無理に伸ばすのではなく、無理なく立てる状態をつくること。

それが本当の体幹づくりです。


嶋本

「体幹は鍛える前に、“揃える”ことがすべてです」

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